Windows 11は美しいUIと新しい機能が魅力ですが、デフォルト状態では必ずしも性能をフルに発揮できているわけではありません。ここでは、ゲーミング・動画編集・クリエイティブ作業など高負荷用途でも快適に動作させるための最適化手順を徹底解説します。
1. 電源プランを「高パフォーマンス」に変更
◇ 理由
デフォルトの電源プランは「バランス」に設定されています。これだと省電力優先でCPUクロックやGPU動作が抑制される場合があります。
◇ 設定手順
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Win + Sで「電源プラン」と検索し「電源プランの編集」を開く。
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左メニューから「電源オプション」を選択。
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「追加プランの表示」をクリック。
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「高パフォーマンス」にチェックを入れる。
◇ 上級者向け
レジストリ編集で**「究極のパフォーマンス」モード**を有効化可能。
この後、電源オプションで「究極のパフォーマンス」を選択。
2. スタートアップアプリの最適化
◇ 理由
起動時に不要なアプリが常駐しているとメモリ・CPU負荷が増大。
◇ 設定手順
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Ctrl + Shift + Escでタスクマネージャーを開く。
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「スタートアップ」タブを選択。
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必要ないアプリを右クリックして「無効化」。
例:
✅ 無効推奨 → Discord, Spotify, OneDrive (必要な時のみ起動)
✅ 有効推奨 → ウイルス対策ソフト、ドライバ系常駐アプリ
3. 視覚効果の最適化
◇ 理由
Windows 11はアニメーションや透過効果が美しいですが、低スペックPCではリソースを消費。
◇ 設定手順
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Win + Sで「パフォーマンス」と検索し「Windowsの外観とパフォーマンスの調整」を開く。
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「パフォーマンスを優先する」にチェック。
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または個別に「ウィンドウのアニメーション」や「透明効果」をオフ。
4. ストレージ最適化(SSD向け設定含む)
◇ ◇ ストレージ感覚を改善
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ディスククリーンアップ(Win + S → 「ディスククリーンアップ」)
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不要な一時ファイル・Windowsアップデート残骸を削除
◇ SSD最適化設定
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Defragではなく「Trim」
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Win + S → 「ドライブのデフラグと最適化」
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SSDの場合、「最適化」実行(Trimが動作)
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◇ 仮想メモリ調整
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システムが多用する場合は物理メモリを増設推奨。
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仮想メモリ設定: Win + S → 「システムの詳細設定」→ 「パフォーマンス」→ 「詳細設定」→ ページングファイルサイズを手動指定。
5. ドライバーを最新に保つ
◇ GPUドライバー
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NVIDIA GeForce → GeForce Experience
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AMD Radeon → Adrenalin Software
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Intel Arc/HD Graphics → Intel Driver & Support Assistant
◇ チップセット・LAN・オーディオドライバー
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マザーボードメーカー公式サイトから最新版をインストール。
6. BIOS/UEFI設定の見直し
◇ XMP (メモリプロファイル) を有効化
デフォルトではメモリが低クロック動作。
→ BIOSで「XMP」「DOCP」「EXPO」を有効化して規定クロックに。
◇ Resizable BAR (GPUの性能向上)
NVIDIA RTX 30以降 / AMD RDNA2以降対応。BIOSで「Above 4G Decoding」「Resizable BAR」を有効化。
◇ Secure Boot / TPM
セキュリティのためにオン推奨ですが、古いパーツやデュアルブート環境ではオフにする場合も。
7. ゲームモードとグラフィック設定
◇ ゲームモードを有効化
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設定 → ゲーム → ゲームモード → オン
◇ GPU優先設定
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設定 → システム → ディスプレイ → グラフィック
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高負荷アプリに「高パフォーマンスGPU」を割り当て。
8. バックグラウンドアプリ制御
◇ 不要なバックグラウンド実行アプリを停止
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設定 → プライバシーとセキュリティ → バックグラウンドアプリ
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不要なアプリをオフ
9. Windowsアップデートの管理
◇ 最新化
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セキュリティや最適化のため定期更新。
◇ 上級者向け: 更新の一時停止
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大型アップデート後の不具合を避けたい場合、「設定 → Windows Update → 更新の一時停止」で一時停止。
10. 不要なサービス・プロセスの無効化
◇ サービス管理
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Win + R →
services.msc
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例:
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無効推奨: Print Spooler(プリンタ未使用時)
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要注意: Windows Updateなどは無効化非推奨
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11. ウイルス・マルウェア対策
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Defenderのみでも十分だが、高負荷用途は軽量な有料セキュリティソフトに乗り換えも検討。
12. その他の最適化Tips
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HDDからSSDへの換装(劇的に速度向上)
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メモリ増設(8GB→16GB以上推奨)
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デュアルチャネル動作確認(メモリ2枚組で性能アップ)
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CPUグリス交換・冷却強化(温度低下=ブースト持続)
まとめ
これらの設定を施すことで、Windows 11のレスポンス改善・FPS向上・マルチタスク性能アップが期待できます。特に電源設定・ドライバー更新・BIOSのXMPは即効性が高いので最初に実施しましょう。
ただし、上級設定(レジストリ・サービス無効化など)は自己責任で行うこと。環境に合った調整が重要です。
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