「X(旧Twitter)」でJASRACへの個別申請が必要な理由|今後の対策はどうすればいいのか?

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「今日も流行りの音楽に合わせてダンス動画をアップしよう!」
「大好きな曲の『歌ってみた』をX(旧Twitter)に投稿して、みんなに聴いてもらいたい」

ちょっと待ってください。その投稿、実は「著作権侵害」のレッドカードかもしれません。

YouTubeやTikTok、Instagramでは当たり前のように流れている音楽動画。しかし、同じ感覚でXに動画をアップロードすると、最悪の場合、アカウントの凍結や損害賠償といった深刻なトラブルに発展する可能性があるのです。

先日、Yahoo!ニュースでも「JASRACがXでの楽曲利用について、公式アカウントで異例の注意喚起を行った」というニュースが大きく取り上げられました。多くのユーザーが「えっ、Xって音楽を使っちゃダメなの?」と驚き、SNS上でも大きな話題となっています。

今回は

  • なぜXとは包括許諾契約を結んでいないのか
  • いままで投稿された動画はどうなるのか
  • 今後Xに上げる際の注意点
  • JASRACへの個別申請のやり方

これら観点ついて解説してきます

この記事を最後まで読めば、「法律を守りながら楽しく発信する方法」が明確になり、著作権トラブルの不安を解消できるはずです。それでは、詳しく見ていきましょう。


「X(旧Twitter)」でJASRACへの個別申請が必要な理由

結論「XがJASRACと包括許諾契約を結んでいないから」です。

私たちは普段、YouTubeやInstagram、TikTokなどで音楽付きの動画を自由に投稿しています。そのため、「SNSならどこでも音楽を使っていい」と勘違いしがちです。しかし、そこには明確な「仕組みの違い」が存在します。

  • YouTube・Instagram・TikTokなどの場合:
    運営会社(GoogleやMeta、ByteDanceなど)がJASRACと「包括許諾契約」を締結しています。これにより、プラットフォーム側がユーザーに代わって著作権料を支払っているため、私たちは個別の申請なしで音楽を利用できます。
  • X(旧Twitter)の場合:
    現時点(2026年)において、X社はJASRACとの間でこの包括許諾契約を結んでいません。

つまり、プラットフォーム側が守ってくれない以上、動画をアップロードする「あなた自身」が、著作権者であるJASRACに対して直接許可を取り、対価を支払う責任が生じるのです。

「みんな投稿しているから大丈夫だろう」という安易な考えは非常に危険です。JASRACが公式アカウントでわざわざ告知を行ったということは、今後はより厳格にルールが適用される、あるいは監視が強化される可能性を示唆しています。


なぜXとは包括許諾契約を結んでいないのか

基本的には「プラットフォーム側の運営方針や交渉の決裂」が主な理由とされています。

包括許諾契約を結ぶためには、プラットフォーム側がJASRACに対し、サービスの売上や利用規模に応じた多額の著作権使用料を支払う必要があります。X(旧Twitter)において、この契約が進まない背景には以下の要因が推測されます。

  • 運営体制の変化:
    イーロン・マスク氏による買収以降、X社は徹底したコスト削減を進めてきました。その中で、膨大な著作権料の支払いが伴う包括契約の優先順位が下がっている、あるいは契約条件で折り合いがついていない可能性が高いです。
  • ビジネスモデルの差異:
    YouTubeやTikTokは「動画と音楽」がコンテンツの核となっていますが、Xは元々「テキスト」主体のSNSです。動画利用の比重が他のプラットフォームと異なるため、コストに見合うメリットをX側が見出せていないという見方もあります。
  • データ開示の壁:
    包括契約には、どの楽曲が何回再生されたかといった詳細なデータの報告が必要になるケースがあります。こうしたデータの透明性や開示範囲を巡って、JASRAC側との協議が平行線を辿っているとも考えられます。

理由はどうあれ、結果として「Xという場所には、音楽を使うための『屋根』がない」という現状に変わりはありません。雨が降れば(権利者から指摘されれば)、傘(個別申請)を持っていないユーザーが直接濡れてしまう(責任を問われる)状態なのです。


いままで「X(旧Twitter)」に投稿された動画はどうなるのか

ここで気になるのが、「過去にアップしてしまった動画はどうなるのか?」という点です。

Xにはすでに膨大な数の「歌ってみた」や「演奏してみた」動画が存在しています。これらが一斉に削除されたり、訴えられたりするのでしょうか?

結論から言えば、「直ちにすべての動画が削除されるわけではないが、リスクは常に残り続ける」というのが現実的な見方です。今後の可能性として、以下の3つのシナリオが考えられます。

  • 権利者からの削除要請(DMCA通知):
    JASRACやレコード会社が特定の動画を「権利侵害」と判断した場合、X社に対して削除要請を出します。これが行われると、動画は強制的に非公開となり、アカウントに「著作権侵害の警告」が記録されます。
  • 過去分への遡及的な指摘:
    JASRACが公式に「個別申請が必要」と明言した以上、過去の投稿についても「未許諾」の状態であることに変わりはありません。悪質なケースや、大きな収益が発生しているアカウントなどは、過去に遡って使用料を請求される可能性もゼロではありません。
  • プラットフォームによる一斉検閲:
    今後、XがAIによる楽曲認識システムを強化した場合、過去の投稿が自動的に判別され、一斉に非表示化されるといった対応が行われる可能性も否定できません。

「今まで大丈夫だったから」というのは、あくまで「見逃されていた」に過ぎません。法律の専門家の間でも、これまでは「黙認」に近い状態であったものが、今回の公式発表を機に「明確なルール違反」として扱われるフェーズに入ったと指摘されています。不安な場合は、過去の未申請動画を一度非公開にする、あるいは今からでも申請を行うといった自衛策を検討すべき時期に来ています。


他にも2026年現在で話題担っているYouTube収益停止に関する解説記事も作りました。気になる方はご覧ください。

【保存版】YouTube収益化が剥がされる原因は?停止を防ぐ「5つの手順」と再審査のコツ
YouTubeを運営している方にとって、収益化の停止(収益剥奪)は最も避けたい事態ではないでしょうか。せっかく積み上げてきた努力が、たった一つの通知でゼロになってしまう恐怖は計り知れません。 この記事を読むことで、YouTubeがどのような基準で収益化を判断しているのか、その具体的な理由と「二度と収益を剥がされないための防衛策」が完全に理解できます。最新のプラットフォーム規約に基づいた、安全な運営ノウハウを網羅しました。

今後Xに上げる際の注意点

「それでもやっぱりXで音楽を発信したい!」というクリエイターの方は多いはずです。

これからの「新ルール時代」において、自分のアカウントを守るために絶対に知っておくべき注意点をまとめました。

1. 「歌ってみた」の伴奏にも注意が必要

JASRACへの申請は、あくまで「歌詞やメロディ(著作権)」の使用許可です。実はもう一つ、「音源(著作隣接権)」という高い壁があります。市販のCD音源やカラオケ音源をそのまま使うのは、JASRACへの申請とは別に、レコード会社などの許可が必要になり、ハードルはさらに跳ね上がります。

Xに投稿する際は、「自分で楽器を演奏した伴奏」や、「打ち込み(MIDI)で自作した伴奏」を使用することが大前提となります。MIDIキーボードなどを使って自分で伴奏を作っている方なら、JASRACへの個別申請だけでクリアできるため、比較的スムーズです。

2. アカウント削除(凍結)のリスク

Xの規約では、著作権侵害の警告が複数回重なると、アカウントが永久凍結される仕組みになっています。丹精込めて育てたアカウントが、たった数本の動画のために一瞬で消えてしまうのは、あまりにも大きな損失です。

また、最近では「シャドウバン(検索に載らなくなるなどの制限)」の原因の一つとして、著作権に関連する不適切な投稿が関わっているという説もあります。クリーンな運営を心がけることが、結果としてフォロワーを増やす近道になります。

3. 「非営利」でも申請は必要

「お金を稼いでいないから大丈夫」と思われがちですが、JASRACの規定では営利・非営利を問わず、ネット上での楽曲利用にはライセンスが必要です。個人が趣味で投稿する場合でも、包括契約のないXでは、法的には「無断使用」となってしまう点に注意してください。


JASRACへの個別申請のやり方

それでは、具体的にどうやって申請すればいいのでしょうか?「難しそう……」と感じるかもしれませんが、手順を追えば個人でも手続きは可能です。初めての方でも迷わないステップを解説します。

ステップ1:楽曲の著作権を確認する

まずは、使いたい曲がJASRACの管理楽曲かどうかを確認しましょう。JASRACの作品データベース「J-WID」で検索できます。

ここで「配信」の項目が「J(JASRAC管理)」になっていれば、申請が可能です。

ステップ2:オンライン申請システム「J-TAKT」に登録

JASRACへの申請は、オンライン窓口J-TAKTから行うのが最もスムーズです。個人ユーザーとしてアカウントを作成しましょう。

ステップ3:利用形態を選択して申請

申請メニューから「動画投稿・配信」などを選び、以下の情報を入力します。

  • 使用する楽曲名・アーティスト名
  • 動画のURL(投稿後に追記する場合もあり)
  • 使用期間
  • 動画の配信目的(非営利・広告ありなど)

ステップ4:使用料の支払い

申請が受理されると、使用料の請求が届きます。個人が非営利で利用する場合の料金目安は、1曲1動画あたり数百円〜数千円程度(期間による)です。「意外と安い」と感じるか「毎回は高い」と感じるかは人それぞれですが、これが「安心を買うためのコスト」となります。

詳しい手続きの詳細は、JASRAC公式サイトの「動画投稿(共有)サイトでの利用」ページを確認してください。

JASRAC公式サイト:個別の許諾手続きについて
https://www.jasrac.or.jp/network/side/individual.html


まとめ:ルールを守って楽しいクリエイティブ活動を

X(旧Twitter)での音楽利用が厳格化された背景には、プラットフォームの変化と著作権保護の重要性が増しているという現状があります。

「YouTubeやTikTokはOKなのに、なぜXだけ?」という不満を感じる気持ちもわかります。しかし、クリエイターとして長く活動していくためには、こうしたプラットフォームごとの特性を理解し、適切に対応する力が求められます。

今回のポイントをおさらい:

  • XはJASRACと包括契約を結んでいないため、個別申請が必須。
  • 未申請の投稿はアカウント凍結や損害賠償のリスクがある。
  • 動画投稿の際は「自作伴奏」+「JASRACへの個別申請」が最も安全。

「面倒だな」と思うかもしれませんが、ルールを守ることは巡り巡って、あなたが愛するアーティストに正当な対価が支払われることにも繋がります。正しく申請を行い、胸を張って素晴らしいパフォーマンスを世界に届けましょう!

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