
「Live2Dのパーツ分けでは、どこまで細かくレイヤーを分けるのだろう」と悩んでいる方もいるでしょう。
通常のイラストでは1枚にまとめている目や口も、Live2Dモデルでは動きに合わせて分ける必要があります。
しかし、すべての部位を細かく分けると、イラスト制作とモデリングの作業量が増えるかもしれません。
目・眉毛・髪など、左右や上下で異なる動きを付けたい部位は別レイヤーへ分けることが重要です。
この記事では、Live2Dのパーツ分けに必要なレイヤーを、目、口、髪、身体に分けて解説します。
▶本記事の概要
- Live2Dのパーツ分けとは
- Live2Dの目・眉毛に必要なパーツ分け
- Live2Dの口・顔・髪に必要なパーツ分け
- Live2Dの身体・衣装に必要なパーツ分け
- まとめ:Live2Dのパーツ分けは動かしたい範囲から決める
これからLive2D用イラストを描く方や、パーツ分けを外注するか迷っている方は参考にしてみてください。
Live2Dのパーツ分けとは
- パーツ分けが必要になる理由
- レイヤーを分ける細かさ
- 素材分け用PSDとインポート用PSDの違い
Live2Dのパーツ分けとは、キャラクターイラストを動かす部位ごとに分割する作業です。
顔、目、口、髪などを別レイヤーに分けることで、Live2D Cubism上で個別に変形できるようになるでしょう。
パーツ分けが必要になる理由
1枚のイラストは、そのままでは目だけを閉じたり、髪だけを揺らしたりできません。
動かしたい部位を別レイヤーへ分け、Live2D Cubismでアートメッシュやデフォーマを設定する形です。
たとえば、左右の目が1枚のレイヤーに描かれていると、片目だけを閉じるウインクを作りにくくなります。
前髪と後ろ髪を分けていない場合も、それぞれへ異なる揺れを設定することが難しいでしょう。
別々に動かしたい部位は、基本的に別々のレイヤーへ分けます。
レイヤーを分ける細かさ
Live2Dのパーツ分けには、すべてのモデルに共通する決まった枚数があるわけではありません。
顔だけを動かすモデルと、全身や指まで動かすモデルでは必要なレイヤー数が異なるでしょう。
レイヤーを細かく分けるほど表現できる動きは増えますが、Live2Dモデリングの作業量も増加します。
初めてパーツ分けを行う場合は、以下の動きから必要なレイヤーを考えると分かりやすいですね。
- 左右の目を開閉する
- 黒目を上下左右へ動かす
- 眉毛で表情を変える
- 口を開閉する
- 顔を上下左右へ向ける
- 髪や衣装を揺らす
- 身体を左右へ傾ける
Live2D CubismにはFREE版とPRO版があり、扱えるアートメッシュやパラメータなどに違いがあります。
複雑なパーツ分けを予定している方は、FREE版とPRO版の違いを「こちら」から確認してみてください。
素材分け用PSDとインポート用PSDの違い
Live2D用イラストでは、素材分け用PSDとインポート用PSDを分けて保存すると管理しやすくなります。
素材分け用PSDは、線画、塗り、レイヤーマスクなどを残し、後から修正できる状態にしたファイルです。
インポート用PSDでは、1つの部品を1枚のレイヤーへ結合し、Live2D Cubismで読み込める状態にします。
素材分け用PSDへ結合済みの状態を上書きすると、イラストの修正が難しくなるかもしれません。
ファイル名に「素材分け用」と「インポート用」を入れ、別々に保存すると安心でしょう。
Live2Dの目・眉毛に必要なパーツ分け
- 眉毛を左右に分ける
- 白目・黒目・ハイライトを分ける
- まつ毛とまぶたを分ける
- 目を閉じたときの形を考える
目と眉毛は、VTuberモデルの表情を伝えるうえで目立ちやすい部位です。
細かく動かしたい場合は、左右だけでなく白目や黒目なども別レイヤーへ分けます。
眉毛を左右に分ける
眉毛は、右眉と左眉を別々のレイヤーにします。
左右に分けることで、眉毛を上下させたり、片方だけ変形させたりできるでしょう。
眉毛の形を細かく変えたい場合は、毛の流れをいくつかのパーツに分ける方法もあります。
ただし、基本的な表情だけであれば、左右各1枚のレイヤーでも作りやすいですね。
白目・黒目・ハイライトを分ける
目は右目と左目に分けたうえで、白目、黒目、ハイライトをそれぞれ別レイヤーへ分割します。
瞳孔や虹彩を細かく動かしたい場合は、黒目の内部もさらに分けることが可能です。
基本的な目のパーツ分けは以下のようになります。
- 右の白目
- 左の白目
- 右の黒目
- 左の黒目
- 右の瞳孔
- 左の瞳孔
- 右のハイライト
- 左のハイライト
黒目を動かしたときに白目からはみ出さないように、Live2D Cubism上ではクリッピングを使用することがあります。
白目はまつ毛の下まで広めに描いておくと、目を変形した際の隙間を防ぎやすいでしょう。
まつ毛とまぶたを分ける
まつ毛は、上まつ毛と下まつ毛を分けておくと目の開閉を調整しやすくなります。
目尻や細かなまつ毛まで揺らしたい場合は、さらに分割する方法もあるでしょう。
初心者向けの基本的な分け方は以下です。
- 右の上まつ毛
- 左の上まつ毛
- 右の下まつ毛
- 左の下まつ毛
- 右の二重線
- 左の二重線
目の開閉では、上まつ毛を下方向へ変形させ、白目や黒目の表示範囲を小さくしていきます。
パーツの境界に隙間ができないように、完成後の閉じた形も考えながら描くことが大切ですね。
目を閉じたときの形を考える
開いた目のパーツだけを用意しても、変形によって閉じた目を作ることは可能です。
しかし、閉じた目に専用の線や表情を使いたい場合は、別レイヤーとして追加する方法があります。
笑ったときの閉じ目、通常のまばたき、困った表情などで形を変えるなら、必要な差分を先に決めておくとよいでしょう。
左右の目を完全に同じ形で描く場合でも、ウインクへ対応するためにレイヤーは左右で分けます。
Live2Dの口・顔・髪に必要なパーツ分け
- 口を上唇・下唇・口内に分ける
- 顔の輪郭・鼻・耳を分ける
- 前髪・横髪・後ろ髪を分ける
- 隠れている部分を描き足す
口、顔、髪のパーツ分けでは、変形したときに見える部分まで描く必要があります。
正面から見えない部分も、顔の角度や髪揺れによって表示される可能性があるでしょう。
口を上唇・下唇・口内に分ける
口は開閉だけでなく、笑顔や困った表情などの形も作ります。
基本的には、上唇、下唇、口内を分けると変形させやすいでしょう。
口の中を細かく表現する場合は、以下のレイヤーを用意します。
- 上唇または口の上側
- 下唇または口の下側
- 口内
- 上の歯
- 下の歯
- 舌
イラストの絵柄によっては、上唇と下唇を分けず、1本の口線として作る方法もあります。
どこまで分割するかは、開いた口や発音時の形をどの程度表現したいかで変わるでしょう。
口内は唇より広めに描いておくと、口を大きく開けたときに隙間が出にくくなります。
顔の輪郭・鼻・耳を分ける
顔は、輪郭、鼻、左右の耳を別レイヤーに分けます。
顔の影や頬の赤みを表情に合わせて変えたい場合は、それぞれ独立させる方法もあるでしょう。
顔周辺の基本的なパーツは以下です。
- 顔の輪郭と肌
- 鼻
- 右耳
- 左耳
- 頬の赤み
- 顔に落ちる影
顔が左右へ向いたときに髪の後ろから肌が見えることもあるため、輪郭の内側は広めに描いておきます。
耳の一部が髪で隠れている場合も、髪が動いたときに見える範囲まで描き足すと安心ですね。
前髪・横髪・後ろ髪を分ける
髪は大きく分けると、前髪、横髪、後ろ髪の3種類です。
自然な揺れを作りたい場合は、髪の束ごとにレイヤーを分けます。
- 前髪の中央
- 前髪の右側
- 前髪の左側
- 右の横髪
- 左の横髪
- 後ろ髪
- 右のおくれ毛
- 左のおくれ毛
- アホ毛
すべての毛束を細かく分けると動きは増えますが、物理演算を設定する作業も多くなります。
初心者の場合は、大きく揺らしたい髪の束から分けると作業量を調整しやすいでしょう。
隠れている部分を描き足す
前髪で隠れている額や眉毛、横髪で隠れている耳などは、パーツが動くと見えるかもしれません。
元のイラストで見えていない部分も、必要に応じて描き足します。
特に確認したい部分は以下です。
- 前髪の後ろにある額と眉毛
- 横髪の後ろにある耳と頬
- 後ろ髪の前にある首と肩
- まぶたの後ろにある白目
- 口を開いたときに見える口内
動くパーツの後ろ側は、完成イラストで見えていなくても描いておく必要があります。
自分でパーツ分けすることが難しい場合は、パーツ分けやモデリングだけを外注する方法もあるでしょう。
ココナラで依頼できる工程や見積もり前の確認項目は「こちら」で解説しています。
Live2Dの身体・衣装に必要なパーツ分け
- 首・胴体・腕を分ける
- 衣装と身体を分ける
- 装飾品や揺れる部位を分ける
- PSDを書き出す前に確認する
上半身や全身を動かすLive2Dモデルでは、顔以外のパーツ分けも必要になります。
身体の傾きや腕の動きを付けたい場合は、関節の位置を考えながら分割すると作りやすいでしょう。
首・胴体・腕を分ける
首、胴体、右腕、左腕を別々に分けると、身体の角度や腕の動きを作れます。
腕を大きく動かす場合は、上腕、前腕、手に分割する方法もあるでしょう。
- 首
- 胴体
- 右上腕
- 右前腕
- 右手
- 左上腕
- 左前腕
- 左手
雑談配信で腕をほとんど動かさないモデルなら、胴体と腕を細かく分けない選択もあります。
配信で見える範囲と予定している動作から、必要な部位を考えてみてください。
衣装と身体を分ける
衣装は身体と別レイヤーにすると、身体の動きに合わせて布を変形させやすくなります。
襟、袖、スカートなどを分ければ、それぞれに異なる揺れを付けられるでしょう。
一方、肌が衣装で完全に隠れている部分でも、衣装が動いたときに見える可能性があります。
首元、肩、腕などは、必要な範囲まで肌を描き足しておくと安心ですね。
装飾品や揺れる部位を分ける
リボン、ネクタイ、ピアスなどの装飾品は、揺らしたい単位でレイヤーを分けます。
左右に付いている装飾品は、まとめずに別々のレイヤーへ配置しましょう。
- 左右のピアス
- リボンの中央と左右
- ネクタイ
- フードや襟
- 袖やフリル
- 髪飾り
- 眼鏡のフレームとレンズ
眼鏡を顔の動きに合わせるだけなら、左右のフレームをまとめる方法もあります。
レンズの反射や透過表現を変えたい場合は、フレームとレンズを分けると調整しやすいでしょう。
PSDを書き出す前に確認する
パーツ分けが完了したら、Live2D Cubismへ読み込む前にレイヤー名や表示順を確認します。
同じ名前のレイヤーが複数あると、PSDの再インポート時に問題が起こるかもしれません。
インポート用PSDの主な確認項目は以下です。
- ファイル形式がPSDになっている
- カラーモードがRGBになっている
- カラーチャンネルが8bitになっている
- カラープロファイルがsRGBになっている
- 同じ名前のレイヤーが存在しない
- 不要な下書きレイヤーが非表示になっている
- 左右のパーツ名を判別できる
- 線画と塗りがパーツ単位で結合されている
- 動いたときに見える部分が描き足されている
PSDを読み込んだ後は、Live2D Cubismでアートメッシュ、デフォーマ、パラメータを設定します。
完成したモデルを配信で動かす段階では、nizima LIVEなどのトラッキングソフトが必要になるでしょう。
nizima LIVEの料金や無料版の制限については「こちら」で確認できます。
まとめ:Live2Dのパーツ分けは動かしたい範囲から決める
Live2Dのパーツ分けでは、目、口、髪、身体などを動かしたい単位でレイヤーへ分割します。
左右で異なる動きを付ける部位は、右と左を別々に分けることが基本になるでしょう。
▶本記事の振り返り
- 左右の目と眉毛は別々のレイヤーにする
- 白目・黒目・ハイライト・まつ毛を分ける
- 口は唇・口内・歯・舌などに分ける
- 髪は前髪・横髪・後ろ髪を揺らす単位で分ける
- 身体は首・胴体・腕・手など動かす範囲で分ける
- 衣装や装飾品は身体と別のレイヤーにする
- 動いたときに見える隠れた部分を描き足す
パーツを細かく分けるほど多くの動きを表現できますが、モデリングの作業量も増えます。
初めて作る場合は、まばたき、口の開閉、顔の角度など、必要な動きからパーツを考えると進めやすいですね。
Live2Dのパーツ分けで迷ったときは、その部位をほかのパーツとは別に動かしたいか考えてみてください。
別々に動かしたい部位であればレイヤーを分け、同じ動きだけで問題なければまとめる方法もあります。
パーツ分けやモデリングを自分で進めることが難しい場合は、必要な工程だけクリエイターへ依頼する方法も検討できるでしょう。
※Live2D Cubismの対応形式や機能は変更される可能性があります。制作時は公式情報もご確認ください。


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