
「USBメモリには何十GBも空き容量があるのに、大きな動画だけコピーできない」
「対象のファイルシステムには大きすぎますと表示される」
「容量64GBのUSBなのに、5GB程度のファイルが入らないのはなぜ?」
空き容量が十分残っているのにファイルをコピーできないと、USBメモリが故障したのではないかと感じますよね。
しかし、大きなファイルだけコピーできない場合は、USBメモリの空き容量ではなく「ファイルシステム」が原因になっている可能性があります。
特に確認したいのがFAT32です。
Microsoftの資料では、FAT32で扱える1ファイルの最大サイズは4GiBとされています。
そのため、USBメモリに50GB以上の空き容量が残っていても、1つの動画ファイルが4GB前後を超えているとコピーできないことがあります。
この記事では、USBに「ファイルが大きすぎます」と表示される原因と、FAT32・exFAT・NTFSの違い、データを消さないために確認したい手順を解説します。
▶本記事の概要
- USBに「ファイルが大きすぎます」と出る原因
- FAT32・exFAT・NTFSの違い
- USBのファイルシステムを確認する方法
- 大きなファイルをUSBへコピーする対処法
- まとめ|空き容量ではなく1ファイルの上限を確認
フォーマットするとUSB内のデータが消えるため、最初から形式を変更するのではなく、現在の状態を確認してから進めていきましょう。
USBに「ファイルが大きすぎます」と出る原因
- USB全体の空き容量と1ファイルの上限は別
- FAT32には1ファイル約4GBの制限がある
- すべてのファイルをコピーできない場合は別の原因も考える
USB全体の空き容量と1ファイルの上限は別
最初に理解しておきたいのが、USBメモリ全体の容量と、1つのファイルを保存できる最大サイズは別という点です。
たとえば64GBのUSBメモリに50GBの空き容量が残っているとします。
この状態なら「5GBの動画くらい普通に入る」と感じますよね。
しかし、USBがFAT32でフォーマットされている場合、保存先全体に50GB空いていても、1ファイルのサイズ制限に引っかかる可能性があります。
イメージすると次のようになります。
- USBメモリの空き容量:50GB
- コピーしたい動画:6GB
- USBのファイルシステム:FAT32
- 結果:「ファイルが大きすぎます」と表示される
つまり、「空き容量が足りない」のではなく「1個のファイルがFAT32の上限を超えている」状態ですね。
FAT32には1ファイル約4GBの制限がある
Microsoftのファイルシステム比較資料では、FAT32の最大ファイルサイズは4GiBと案内されています。
4GiBは一般的な10進表記では約4.29GBに相当します。
そのため、4K動画、長時間の録画データ、ISOファイル、大きなZIPファイルなどをUSBへ移そうとした時に問題が発生しやすくなります。
たとえば次のようなファイルですね。
- 5GBの動画ファイル
- 10GBのゲームデータ
- 8GBのISOファイル
- 4GBを超える録画データ
- 大容量のバックアップファイル
小さな写真や文書は普通に保存できるのに、大きな動画だけコピーできない場合はFAT32を確認する価値があります。
Microsoft公式のファイルシステム比較については、こちらから確認できます。
すべてのファイルをコピーできない場合は別の原因も考える
今回の記事で扱っているのは、小さなファイルは保存できるのに、大きなファイルだけ保存できない症状です。
次のような状態ならFAT32以外の原因も考えられます。
- 数KBのファイルでもコピーできない
- USB自体がエクスプローラーに表示されない
- コピー途中でUSBとの接続が切れる
- 読み取り専用と表示される
- USBを開こうとするとエラーになる
このような場合は、USBポートやドライブ自体の状態、アクセス権限なども確認する必要があります。
「対象のファイルシステムには大きすぎます」というメッセージが表示されているなら、まずファイルシステムを確認すると原因を探しやすいと思います。
FAT32・exFAT・NTFSの違い
- FAT32は互換性が高いが大容量ファイルに弱い
- exFATは大容量ファイルと機器間の利用に向いている
- NTFSはWindows中心で利用しやすい
- 使用するゲーム機やテレビなどの対応形式も確認する
FAT32は互換性が高いが大容量ファイルに弱い
FAT32は昔から利用されているファイルシステムです。
PCだけでなく、さまざまな機器から読み込めることが多いため、USBメモリなどで現在も利用されています。
一方で大きな弱点が、1ファイルのサイズ制限です。
Microsoftの資料では最大ファイルサイズが4GiBとなっているため、現在の大容量動画などを保存する用途では制限を感じやすくなります。
exFATは大容量ファイルと機器間の利用に向いている
大きなファイルをUSBメモリへ保存したい場合、選択肢の1つになるのがexFATです。
Microsoftの比較資料では、exFATはFAT32のような4GiBの最大ファイルサイズ制限ではなく、非常に大きなファイルサイズを扱える仕様になっています。
WindowsだけでなくMacでも利用できるため、WindowsとMacの間で大きな動画などを移動したい場合にも使いやすい形式ですね。
Appleも、MS-DOS(FAT)とexFATをWindows互換のフォーマットとして案内しています。
ただし、USBを接続する機器がexFATに対応しているかは別途確認が必要です。
古いテレビ、カーナビ、ゲーム機、オーディオ機器などでは対応形式が限定されていることがあります。
NTFSはWindows中心で利用しやすい
Windows PCを中心に使用するならNTFSも選択肢になります。
NTFSもFAT32より大きなファイルを扱えるため、4GBを超える動画やバックアップデータなどを保存できます。
さらにWindowsのアクセス制御などにも対応したファイルシステムです。
ただし、他のOSや機器との互換性には注意が必要になります。
Apple公式では、MacはNTFS形式のドライブを読み取れる場合がありますが、標準では書き込みできないと案内しています。
WindowsとMacの両方でUSBへ書き込みたい場合は、exFATの方が用途に合うケースがありますね。
使用するゲーム機やテレビなどの対応形式も確認する
「大容量ファイルを保存したいからexFATに変えれば終わり」とは限りません。
USBメモリをPCだけで使用するのであれば選びやすいのですが、ほかの機器へ接続する場合は対応形式の確認が重要です。
- テレビ
- ゲーム機
- カーナビ
- レコーダー
- オーディオ機器
- デジタルカメラ
これらの機器では、利用できるUSBの形式が指定されている場合があります。
形式を変更する前に、USBを実際に接続する機器の公式マニュアルでFAT32・exFAT・NTFSの対応状況を確認してください。
PS5の外付けSSDについてはPC用USBとは扱いが異なり、PS5側でUSB拡張ストレージとしてフォーマットするケースがあります。
PS5で使用する場合は、PS5の外付けSSDからゲームを起動できない原因と対処法はこちらから確認できます。
USBのファイルシステムを確認する方法
- USBのプロパティから確認する
- コピーするファイルのサイズも確認する
- FAT32で4GBを超えているなら原因を絞り込める
USBのプロパティから確認する
Windowsでは、USBメモリをフォーマットしなくても現在のファイルシステムを確認できます。
- USBメモリをPCへ接続する
- Windows+Eでエクスプローラーを開く
- 左側から「PC」を選択する
- 対象のUSBメモリを右クリックする
- 「プロパティ」を選択する
- 「ファイル システム」を確認する
ここに「FAT32」と表示されていたら、1ファイルのサイズ制限が関係している可能性があります。
同じ画面でUSBの使用領域や空き容量も確認できます。
コピーするファイルのサイズも確認する
次にコピーしようとしているファイル側を確認します。
- コピーできないファイルを右クリックする
- 「プロパティ」を選択する
- ファイルのサイズを確認する
たとえばUSBがFAT32で、コピーしたい動画が6GBなら、空き容量が十分に残っていてもFAT32の上限が原因と考えやすくなります。
反対に500MB程度のファイルでも同じエラーになるなら、別の問題も確認した方が分かりやすいと思います。
FAT32で4GBを超えているなら原因を絞り込める
次の条件が揃っている場合は、ファイルシステムによるサイズ制限と症状が一致しています。
- USBは正常に認識されている
- 小さなファイルはコピーできる
- USBには十分な空き容量がある
- USBの形式がFAT32になっている
- コピーしたい1ファイルが4GB前後を超えている
- 「対象のファイルシステムには大きすぎます」と表示される
この場合はUSBの故障と決めつけず、次に紹介する方法を検討します。
大きなファイルをUSBへコピーする対処法
- 必要なデータを別の場所へ退避する
- USBをexFATやNTFSへフォーマットする
- フォーマットできない場合はファイルを小さくする
- 大容量ファイルが多いなら外付けSSDも検討する
必要なデータを別の場所へ退避する
FAT32からexFATなどへ変更する場合、最初にUSB内のデータを確認してください。
フォーマットを実行すると、基本的にUSB内へ保存されているファイルは削除されます。
Microsoftのformatコマンドの資料でも、フォーマットによってドライブ上のデータが失われることが警告されています。
写真、動画、書類など必要なものが残っているなら、PC本体や別のストレージへコピーしておきます。
データを退避できていることを確認してから形式変更へ進んでください。
USBをexFATやNTFSへフォーマットする
バックアップが完了したら、WindowsからUSBメモリをフォーマットできます。
- エクスプローラーを開く
- 「PC」を選択する
- 対象のUSBメモリを右クリックする
- 「フォーマット」を選択する
- ファイルシステムを選択する
- 使用機器に対応した形式であることを再確認する
- フォーマットを開始する
大容量ファイルをWindowsとMacなど複数環境で利用するならexFAT、Windows中心ならNTFSが候補になります。
一般的な用途でアロケーションユニットサイズを変更する理由がなければ、「既定のアロケーションサイズ」のままで問題ないケースが多いです。
MicrosoftのWindows用format機能でも、FAT32・NTFS・exFATなどのファイルシステムを指定できます。
ただし、利用するテレビやゲーム機などが対応していない形式へ変えると、その機器からUSBを認識できなくなる可能性があります。
形式を選ぶ時は「PCでコピーできるか」だけではなく「最終的にどの機器で読むのか」まで考えると安心ですね。
フォーマットできない場合はファイルを小さくする
使用する機器がFAT32しか対応しておらず、exFATやNTFSへ変更できない場合もあります。
その場合はファイル側を4GB未満になるよう調整する方法があります。
動画であれば、次のような方法が考えられます。
- 動画を複数に分割する
- 解像度やビットレートを下げる
- 再エンコードして容量を小さくする
ZIPなどの大容量データなら、対応する圧縮ソフトを使って複数ファイルへ分割できる場合があります。
ただし、分割したファイルをテレビやゲーム機などでそのまま利用できるとは限りません。
用途に合わせて、USBの形式変更とファイル分割のどちらが適しているか判断するとよいでしょう。
大容量ファイルが多いなら外付けSSDも検討する
動画編集や音楽制作、ゲーム関連のデータなど、大容量ファイルを頻繁に持ち運ぶならUSBメモリでは容量や転送速度が足りなくなることもあります。
そのような用途なら、外付けSSDを保存先として使う方法もあります。
候補の1つがSanDisk ポータブルSSD 1TBです。
1TBの容量があるため、大きな動画や制作データを複数まとめたい場合にも使いやすいと感じます。
USB 3.2 Gen 2対応で、公称読み取り速度は最大800MB/秒となっているため、大容量データを頻繁に扱う用途とも相性がありますね。
ただし、外付けSSDへ買い替えるだけでFAT32の制限が自動的に解決するわけではありません。
SSDでも、実際に使用するファイルシステムと接続先機器の対応状況を確認してください。
外付けドライブへバックアップする際に、Windowsのファイル履歴側で「ドライブを再接続してください」と表示される場合は今回とは別の症状です。
その場合は、Windows11でファイル履歴が保存できない時の対処法はこちらから確認できます。
まとめ|空き容量ではなく1ファイルの上限を確認
USBに「対象のファイルシステムには大きすぎます」と表示される場合、USBメモリ全体の空き容量ではなく、1ファイルあたりのサイズ制限が原因になっている可能性があります。
特にUSBがFAT32の場合は、4GiBを超えるような大きな動画やバックアップファイルをそのまま保存できません。
まずエクスプローラーからUSBのプロパティを開き、ファイルシステムがFAT32になっているか確認してみてください。
FAT32で、コピーしたいファイルも4GB前後を超えているなら、症状と一致しています。
大容量ファイルを扱う場合はexFATやNTFSが候補になりますが、USBをテレビやゲーム機などでも使う場合は、その機器が対応している形式を先に確認することが重要です。
また、フォーマットすると保存済みデータが消えるため、必要なファイルを別の場所へ退避してから作業を進めてください。
▶本記事の振り返り
- USB全体の空き容量と1ファイルの最大サイズは別
- FAT32の最大ファイルサイズは4GiB
- USBの形式はプロパティから確認できる
- exFATやNTFSならFAT32より大きな単一ファイルを扱える
- フォーマット前にUSB内の必要データを退避する
- テレビやゲーム機などで使う場合は対応形式を先に確認する
- 形式を変更できない場合は動画などを分割・圧縮する方法もある
- 大容量データを頻繁に扱うなら外付けSSDも選択肢になる
「USBには空き容量があるのにコピーできない」という状態だけを見ると不思議に感じますが、USBの容量とファイルシステムの上限は別の条件です。
USBのファイルシステム確認→コピーしたいファイルサイズ確認→使用機器の対応形式確認→データ退避→必要ならフォーマットという順番で進めると、安全に原因を整理しやすいと思います。


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