
「曲は作れるようになったけど、なんだか音がしょぼい…」
「プロのような音圧やクリアな広がりが出せない」
「ミックスとマスタリング、結局何をどうすれば正解なの?」
DTMを続けていると、必ずと言っていいほど「ミックス・マスタリングの壁」にぶつかりますよね。
私は田舎でブログを書きながら音楽活動をしており、DTM歴は約7年になります。メインのDAWはFL Studioを愛用しています。FL Studioで約5年ほど作曲して上達した話も書いているのでそちらも同時に参考にしてください。
私自身、最初の5年くらいはミックスに悩み、迷走し続けてきました。しかし、ここ2年ほどで「これだ!」という感覚を掴み、一気にクオリティを上げることができたと感じています。
まずは、今の私の音がどんな感じか、新曲を聴いてみてください。
どうでしょうか?昔の私と同じように悩んでいる方にとって、この記事が「上達へのショートカット」になれば幸いです。
▶本記事の内容
- DTMでミックス・マスタリングに悩んでいる人へ
- ミックスの上達法
- マスタリングの上達法
それでは、本題に入りましょう。
DTMでミックス・マスタリングに悩んでいる人へ
ミックスやマスタリングで悩むのは、あなたが真剣に音楽に向き合っている証拠です。これは誰もが通る道ですし、私自身も7年経った今でも「もっと良くできるはずだ」と頭を抱えることがよくあります。
初心者の頃、あるいは中級者になりたての頃に「自分の音が微妙だな」と感じる原因は、主に以下の5点に集約されます。
- 楽器ごとの音のバランスがバラバラ
- 音の距離感がコントロールできておらず、全部が前に出てきている
- 左右(PAN)の配置が適切ではなく、音が渋滞している
- 全体の音量感が整っていない
- マスタリングで無理に音圧を上げようとして音が潰れている
これらが複雑に絡み合うことで、「なんだか抜けが悪い」「音が濁っている」という結果を招いてしまいます。でも安心してください。これらは一つずつ整理して改善していけば、必ず音は良くなります。
一気に全てを完璧にするのは難しいので、まずは自分の曲のどこが一番の課題なのかを見極めるところから始めましょう。
ミックスの上達法
ミックスを劇的に上達させるためには、感覚だけに頼らず「何を狙って調整するのか」を明確にすることが大事です。私が意識しているのは、先ほど挙げた4つのポイントの徹底的なブラッシュアップです。
音のバランス:主役を明確にする
音のバランスは「音量感」と密接に関わっていますが、最初に「この曲の軸(主役)は何か?」を決めておかないと、一生終わらないミックスの迷宮に入り込みます。
あなたが作っているジャンルにおいて、プロの楽曲ではどの音が最も目立っていますか?
- ボーカル(歌モノなら絶対)
- ベース(ダンスミュージックの土台)
- ドラム・キック(ビートの核)
- メインメロディ(インスト曲など)
私のメインジャンルはEDMなので、基本的にはKickとBassを軸にして、そこから他の音を積み上げていく手法をとっています。Kickがしっかり鳴っていないEDMは、どんなにメロディが良くても「パワー不足」に聞こえてしまうからです。
また、バランス調整に欠かせないのがEQ(イコライザー)による周波数処理です。特に意識してほしいのが「引き算の美学」です。
KickとBass以外のトラックで、不要な低音部分をバッサリ削っていますか?この「ローカット」を徹底するだけでも、低域の濁りが取れて驚くほどクリアになります。
さらに、高音域がキンキンして耳が痛い場合は、ダイナミックEQを使うのがおすすめです。特定の音量を超えた時だけ高域を抑えてくれるので、音の透明感を保ったまま、不快なピークを自然に抑えることができます。
音の距離感:奥行きをデザインする
次に大事なのが音の距離感です。これは「音量」と「空間系エフェクト」の組み合わせで作ります。
私は生楽器を録音することはなく、すべて打ち込みとサンプル音源だけで完結させています。だからこそ、エフェクトを駆使して「空気感」を捏造する必要があるんです。
距離感をコントロールするために私が多用しているのは、以下の3つです。
- リバーブ(残響)
- ディレイ(やまびこ効果)
- ディストーション(歪み)
リバーブやディレイを使う時のコツは、エフェクト音に対しても周波数処理を忘れないことです。リバーブの低音が響きすぎるとミックスが濁るので、私はリバーブ成分の低域を大胆にカットします。また、Decay(長さ)を曲のテンポに合わせて調整するのも必須ですね。
面白いテクニックとして、リバーブのDecayを極端に短くして強めにかけ、その後に軽くディストーションを加える手法があります。これは音が奥に引っ込むというより、音の周りに「空気の層」ができるような感覚になります。
この「歪み」の加え方で音のキャラクターはガラッと変わります
この手法を使うと、デジタル特有の硬い音が少し生音っぽく馴染んだり、主役であるBassとぶつかるのを避けたりできます。Bassにあえてこの「空気感」を足してみるのも、独特の質感が生まれて面白いですよ。
左右(PAN)の調整:ステージを広げる
すべての音が真ん中(センター)で鳴っていると、音が重なり合って一つ一つの音が聞こえにくくなります。PANを振って音を左右に逃がすことで、それぞれの音がはっきり聞こえるスペースを作ってあげましょう。
基本となる「センターに置くべき音」は以下の通りです。
- キック
- ベース
- リードボーカル、またはメインリード
これらは楽曲の背骨なので、基本はどっしりと真ん中に据えます。しかし、これに縛られすぎる必要もありません。曲の展開に合わせてボーカルを左右に飛ばしたり、オーケストラ要素のある曲なら低音を広げたりすることもあります。
そして、それ以外の音(アルペジオ、バッキングギター、パッドなど)は積極的に左右に振りましょう。プロの曲をよく聴くと、ギターのコードが左右で別々に鳴っていたり、装飾音が意外なところから聞こえてきたりすることに気づくはずです。
左右の配置を決めたら、先ほどの「距離感」をそれぞれに適応させます。「右奥で鳴るピアノ」「左手前で鳴るシェイカー」といった具合に、3Dで音を配置していくイメージを持つことが、ミックス上達のスピードを早めます。
音量感:視覚と聴覚のハイブリッド調整
最後に音量感です。これは各トラックのフェーダー調整のことですが、ここがバラバラだと、この後のマスタリングで音圧を上げる際に必ず失敗します。
おすすめの調整手順は、最も重要な低音(Kickなど)を基準の音量に設定し、それに合わせるように他の楽器を足していく方法です。
調整の際は、自分の「耳」を信じるのはもちろんですが、無料プラグインの「SPAN」を使って視覚的に確認するのも非常に有効です。
プロの楽曲をSPANで解析してみると、ある共通点が見えてきます。それは、「低音域よりも中高音域が大きく突き出ていることはほぼない」という点です。瞬間的に特定の周波数が跳ね上がることはあっても、全体のエネルギー分布としては低域が最も厚く、高域に向かってなだらかに下がっていく形が理想的です。
自分の曲の中域や高域が低域を超えてしまっていないか、SPANでチェックしながら微調整してみてください。これだけで、ミックスの安定感が劇的に変わります。
また、ある程度曲が形になってきたら、モニタリング環境(機材)にも目を向けてみましょう。私は現在、こだわって選んだスピーカー・ヘッドホン、オーディオインターフェイスを使用しています。
もちろん最初は手持ちの機材で十分ですが、「1曲作り切る習慣」がついた段階で、少し質の良い機材を導入するのは大賛成です。「正しい音」が聞こえる環境になると、ミックスの悩みがあっさり解決することも多いですからね。私が実際に使っているおすすめ機材については、別の箇所で詳しく紹介します。


マスタリングの上達法

ミックスが整ったら、いよいよ最終工程のマスタリングです。マスタリングは単に「音を大きくする作業」と思われがちですが、実際には「楽曲の完成度をプロの基準まで引き上げる磨き上げの作業」です。
私がマスタリングで特に意識しているのは、以下の3点です。
- 周波数をきれいにする(不要な音の整理)
- 倍音を増やす(密度と存在感を出す)
- 音圧を上げる(適切なラウドネス管理)
これらを順番に解説していきます。
周波数をきれいにする
マスタリングの最初の手順として、まずは全体の周波数を整えます。具体的には以下のステップを踏みます。
- コンプレッサーで音量差を整える
- EQやダイナミックEQで暴れている箇所を抑える
- 可聴域外の不要な帯域をカットする
まずコンプレッサー(またはダイナミックコンプ)について。ミックスの段階である程度バランスは取れているはずなので、ここでは「深くかける」のではなく「軽く整える」イメージで行います。
サビなど一番盛り上がる場所で、リダクション(抑え込み)が最大-3dBくらいになるように設定してみてください。その分、Gainを+3dB持ち上げることで、全体のダイナミクスを保ちつつ音の密度を詰めることができます。
「コンプレッサーの設定がイマイチ分からない…」という方や、おすすめのプラグインを知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

次にEQによる処理です。マスタリングの基本として、約30Hz以下と16,000Hz以上は完全にカットしてしまいましょう。人間にはほとんど聞こえない領域ですが、ここをカットすることで、リミッターをかけた際により効率よく音圧を上げられるようになります。
倍音を増やす(軽めのディストーション・サチュレーション)
次に、音の密度を上げるために「倍音」を付加します。これを行うことで、音が太くなり、プロっぽい「リッチな質感」に近づきます。
ここで活躍するのがサチュレーション(またはディストーション)です。大きな歪みを加えると曲が壊れてしまうので、あくまで「薄く、隠し味程度に」歪ませるのがコツです。これをすることで以下のメリットがあります。
- 音に厚みと密度が出る
- 大きな音で聞いた時の迫力が増す
- 小さな音で聞いた時でも、音が埋もれずにはっきり聞こえる
サチュレーションはミックスでもマスタリングでも重宝するエフェクトです。先ほども紹介しましたが、私の「一軍プラグイン」はこちらの記事にまとめているので、参考にしてみてくださいね。

「なんか音がスカスカしているな」と感じる場合は、この倍音付加が足りていないことが多いです。音全体がかっこよく、かつ艶やかになるポイントを探ってみてください。
倍音を増やす(軽めのディストーション・サチュレーション)
次に、音の密度を上げるために「倍音」を付加します。これを行うことで、音が太くなり、プロっぽい「リッチな質感」に近づきます。
ここで活躍するのがサチュレーション(またはディストーション)です。大きな歪みを加えると曲が壊れてしまうので、あくまで「薄く、隠し味程度に」歪ませるのがコツです。これをすることで以下のメリットがあります。
- 音に厚みと密度が出る
- 大きな音で聞いた時の迫力が増す
- 小さな音で聞いた時でも、音が埋もれずにはっきり聞こえる
「なんか音がスカスカしているな」と感じる場合は、この倍音付加が足りていないことが多いです。音全体がかっこよく、かつ艶やかになるポイントを探ってみてください。
音圧を上げる
マスタリングの最終仕上げは、リミッターやマキシマイザーを使用した音圧上げです。ここで大事なのは「ただ音を大きくすればいい」わけではない、ということです。
今の時代の音楽には、ジャンルごとに適切な「ラウドネス値(LUFS)」という基準があります。無理に上げすぎると音が割れたり、抑揚がなくなって平坦な曲になったりしてしまいます。
おすすめは、ラウドネスを測定できる無料プラグインを導入し、自分の好きなプロの楽曲と比較しながら音量を上げることです。視覚的な基準を持つことで、「自分の曲だけ音が小さい」「上げすぎて音が歪んでいる」といった失敗を防ぐことができます。
まとめ
今回は、DTM歴7年の私がたどり着いた「ミックス・マスタリングの上達法」について解説しました。最後に大切なポイントをおさらいしましょう。
ミックスで意識すること
- ジャンルに合わせた「音の軸」を決め、バランスを整える
- リバーブやディレイ、ディストーションを組み合わせて「距離感」をデザインする
- PANを振って音の居場所を作り、センターを渋滞させない
- SPANなどのプラグインを活用し、視覚的にも音量を調整する
マスタリングで意識すること
- 不要な低域・高域をカットし、コンプで軽く密度を整える
- サチュレーションで薄く倍音を足し、音にリッチな質感を与える
- ラウドネス値を基準に、リミッターで適切な音圧まで引き上げる
ミックスやマスタリングは一朝一夕で身につくものではありません。私も何年も悩み、試行錯誤を繰り返してきました。でも、今回紹介したポイントを一つずつ実践していけば、確実にあなたの音は変わっていきます。
そしてある程度、一曲を作り切れるようになったら、モニター環境(機材)にも投資を検討してみてください。良い機材は、あなたの耳を育て、上達をさらに加速させてくれます。
自分の作った音楽が、理想の音で鳴り響く瞬間の喜びは格別です。悩むことも多いDTMですが、楽しみながら一緒にレベルアップしていきましょう!
この記事が参考になれば幸いです。


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